「利回りが高い=収益性が高い=安定経営」ではない!?

   

不動産投資のための物件を選ぶ時には、何を判断材料にするのでしょうか?収益性の高い物件を選ぶために多くの人は利回りを基準にしています。しかし、この利回りをものさしにすることには、注意が必要です。収益性の高い物件と利回りの高い物件の関係性や、利回りを物差しにすることの危険性についてお話したいと思います。

・利回りとは?

利回りとは、1年間にアパート経営のための土地と建物の物件価格の何%を回収できるかを示した値のことです。 
利回り=1年間の利益額(家賃収入) ÷ 投資額(物件価格) × 100 
利回りは上記の式で求められ、一般的にこの値が高ければ、収益性の高い物件として判断されています。

・利回りが高い≠収益性が高い≠安定経営

利回りの高さを物件選びの物差しにすることが危険な理由として、2つの点に注目してみましょう。
ひとつ目は、一般的に不動産業者などが用いる利回りの数値は表面利回りであるという点です。利回りには、「表面利回り」と「現状利回り」があります。表面利回りは満室時を基準とした利回りのことです。それに対し、現状利回りは、中古物件など入居者が居る場合の実際の利回りを表しています。アパート経営を始めると、空室が出てしまう時期はあります。それがどれだけの期間かは分かりませんし、物件によっては半年以上続くことさえあるのです。満室前提の表面利回りが高く、収益性の高い物件として紹介されている場合でも、実際には入居率が低く、常に入居付けに苦戦しているのであれば収益性がむしろ低い物件となります。表面利回りと現状利回りの乖離が大きい物件は特に注意しましよう。
ふたつ目の点として、利回りが高い物件が安定経営につながるとは言えないからです。現状利回りが高い物件であってもその状況が将来も持続できそうかどうかを見極める必要があります。購入したときは満室だったがその後退去があると次の入居者がなかなか決まらなかったり、高額な修繕費が発生して予想外の出費が発生したりと、物件購入後になぜ安く売りに出ていたのか理解できたケースはかなりあるようです。
利回りが高い物件は、家賃設定に比べて売値の設定が安いと言えます。しかし売値を決める際、理由もなく売値の設定を安くすることは考えられません。もし物件を売りに出す売主さんが欲のない人で相場より2割~3割安くてもかまわないといった方だった場合、売却の相談を受けた不動産業者は買い取って転売をすることで差益を得ることを考えるはずです。
現代の不動産市場はネットの普及により、市場原理がしっかり機能していると言えます。同レベルの投資対象においては価格の平準化作用が働きます。収益物件の場合は、地域ごと、物件種別ごとに利回り相場があります。売値を決める際、類似物件の売値調査、成約事例調査にネットを利用して行い、相場を把握することが容易になっています。そのため、運よく市場価格よりも安く買える物件を見つけることができる確率は極めて低いことを理解しておくべきです。
以上のことから、現在ネットで検索できる物件は目の肥えたプロの業者が買い取りを見送った物件と言えます。売り物件情報を見ていた際に割安感を感じた物件があった場合、なぜプロの不動産業者が買い取りをしなかったのか理由を考えてみると良いでしょう。
大学や工場が撤退して入居需要が激減した地域の物件、大規模修繕をしなければいけない時期に来ている物件、再建築不可の物件、違反建築の物件、接道が私道で道路持分がない物件、間取りの使い勝手が悪く不人気な物件など、売主さんが安く売らざるを得ない事情がどこかにあると思われます。

・まとめ

収益性が高い物件かどうかを判断するために利回りを判断材料にすることはできますが、利回りが高い物件が必ずしも収益性が高く安定した経営が行えるとは限らないことを忘れないようにしましょう。利回りには、空室リスクが反映されていない表面利回りもあります。より実際的な現状利回りが高くなる物件を選ぶには立地の良さが何よりも大事です。利回りの高さだけに注目して土地の値段が安い、立地条件の悪い物件を選んでしまったり、無理のある家賃設定で表面利回りを意図的に高く見せている物件に注意し、利回りはあくまでも判断材料のひとつとして使うようにしてください。

【担当:大原 敦】

 - アパート経営

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