不動産投資物件の利回りが「高い=安定経営」ではない?!

   

大抵の投資家は、投資した資金に対してどれぐらいの年間利益があがっているのかを示す割合の数値「利回り」を、投資を行う際の基準にしておられることでしょう。不動産投資においても物件選びの際にはこの利回りの数値を比較材料として注目します。しかし、この利回りの高さにこだわりすぎることによって、失敗を招く危険性があることをご存知でしょうか?

・高利回り=収益力が高い≠安定経営

利回りが高い物件とはどんな物件でしょうか?実は高利回り物件とは高利回りをアピールしないと買手が付きづらい物件である為、売主は仕方なく高利回り表記が出来る値付けをしているケースが大半です。例として借地権の物件、再建築不可の物件、建蔽率や容積率違反等の物件、地方都市などで平均入居率が低い地域の物件、融資付けが厳しい物件、老朽化の為、大規模修繕が必要な物件、入居率が80%以下で入居付けに苦労している物件、大学や工場などの撤退により主たる入居需要が消滅したエリアの物件などがあげられます。また、表面利回りは現金で物件を購入する際はわかりやすい指標ですが、大半のアパートオーナーは融資を利用して物件を購入します。ですから融資利用の場合、安定経営の指標としては返済比率のほうが重要といえるでしょう。

・安い物件=リスクが低い≠安定経営

次に安い物件でリスクの低い賃貸経営を狙うというのはどうでしょうか?物件の価格は建物価格と土地価格を足したものです。低価格物件でよくあるケースが建物は築20年以上で物件価格はほとんど土地価格という場合です。俗に「土地値の中古アパート」と言われています。大きな損をしたくない方に一定の人気があります。最悪の場合アパートを解体し、更地にして売却することで投資額がほぼ回収できる点が安心感となっています。但し築年数の古いアパートの場合、融資期間と金利について注意が必要となります。法定耐用年数を基準に融資期間を決定する金融機関だと短期の融資しか利用できないことになります。首都圏だと築古木造アパートでも30年融資をする金融機関もありますが金利が高くなるので自己資金比率を高めないと返済比率が高くなりがちです。老朽化している物件だと大規模修繕費用も準備しなくてはいけません。したがって現金で購入するような資金力に余力がある方には一定の魅力がありますが、自己資金に限りがあり、融資利用を希望する方との相性は決して良くありません。「想定外の退去や突発的な修繕等で資金ショートとなり、やむを得ず日本政策金融公庫から融資を受けて急場をしのいだが、新たな借り入れの返済で本業から手出しする羽目になった」 といった話はよく聞く失敗談となっています。

・まとめ

不動産投資を行う上で、利回りに注目することは重要なことです。どんなに資産を投資につぎ込んでも、そこから利益をあげなければ意味がありません。しかし、不動産投資において表面利回りを重視しすぎて投資物件選びをするのは安定した経営を行うのに障害となる可能性が高まります。利回りを物件選びの比較材料には出来ますが、表面利回りが1%でも高いところを!と利回りに振り回されて物件を選ぶのは要注意です。返済比率を抑えた資金計画が可能な物件で尚且つ、立地条件が良くて安定的に入居需要があり、手堅い賃貸経営が見込めるということに注目するようにしましょう。昨今は家賃設定が堅実で安定的な賃貸経営が期待できる新築物件の開発に力を入れている新興企業も注目されてきています。

 【担当:大原 敦】

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