不動産経営で損益通算が節税になるのは1年目まで!?

   

いくつかの所得がある人は、所得金額の計算上生じた赤字を他の黒字所得から差し引いて計算することで控除することが出来ます。これを損益通算と言いますが、この制度は対象となる所得がある人にとって所得税の節税にもつながりメリットとなります。しかし損益通算の制度を利用する際には注意すべき点もあります。それは何でしょうか?

・損益通算が出来る所得は?

個人の所得には給与所得、不動産所得、譲渡所得、山林所得、利子所得、配当所得、事業所得、退職所得、一時所得、雑所得の10種類がありますが、このうち損益通算の対象となる所得は、不動産所得、事業所得、譲渡所得、山林所得の4種類です。例えば、サラリーマンとして給与取得がある人が、損益通算の対象である不動産を所得して経営を行い赤字が出た場合は、給与所得から不動産経営の赤字額を引くことが出来るので、トータルの所得額が減り、税額も軽減されるので損益通算によって節税となるという仕組みです。
損益通算の対象となるものは4種類の所得と限られていますし、その中でも例外があり損益通算できないものもあるので注意が必要です。

・それって節税じゃなくてただの失敗!?

いくつかの所得があっても全てを損益通算して節税につながるわけではありません。ですから、サラリーマンが損益通算出来る不動産経営を行うのはメリットのひとつともいえます。そのため、ある人は毎年不動産所得が赤字になれば節税が出来ると考え、損益通算による節税目的で不動産投資を行おうとするサラリーマンもいますが、実際には、何の意味もありません。赤字が出ているということは、投資をしているにもかかわらず不動産経営から利益が出ていない証拠なのです。
確かに不動産経営を始めた年は物件の建築費や購入費、不動産所得税や入居者募集の仲介手数料といった様々な経費が発生するために、不動産所得はマイナスになる可能性が高くなります。その場合、1年目が赤字経営であっても給与所得の黒字から差し引いて計算することで控除されるので、所得税の節税となるのですが、2年目からはこの条件には当てはまらなくなります。2年目は満室で安定した家賃収入を得ることが出来れば、大きな経費もないので赤字になることはないのです。もし、損益通算が生じるような赤字経営になっているのであれば、節税が期待できること以前に、不動産投資を失敗しているサインだと考えて、早めの対策が必要と言えるでしょう。

・まとめ

不動産経営以外に所得がある人にとって損益通算の制度は、不動産経営が赤字でも、他の所得とトータルして通算し所得税額が控除されるので節税を期待できます。しかし、これは経費が多い初年度だけに当てはまることという意識をもっておく必要があります。初年度に比べ経費が大幅に減る2年目以降で、満室であるにも関わらず、赤字経営になっているのであれば、節税どころか利益をあげることの出来ない不動産経営を行っている証拠です。速やかに経営の見直しが必要かもしれません。不動産経営を行っていくうえで、節税にはしっかり取り組むべきですが、損益通算は初年度の対策と考え、経営するうえでの節税方法として利用しないことをおススメします。あくまでも利益を上げることを優先にした不動産経営を意識するようにしましょう。

【担当:中原 義則】

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